COLUMN

N.014【自転車をいじる楽しみとは】

#コラム

自転車の楽しみといえば乗る、眺める、いじるだ。このうちいじるが危機にひんしている。かつてレースに使用する高級部品は簡単な箱に入れられて、取扱説明書も保証書もついていないシロモノだった。驚くかもしれないが、レース用の部品なので、使う人も、取り付けやメンテナンスをする人も、みな玄人。扱い方をよく知っているので取扱説明書(取説)は不要だし、レースに使用するので壊れても保証されることはない。

今日、部品をとりまく環境は大きく変化している。レース用の部品といえどもぶ厚い取説が付随しており、万が一壊れたときにはPL(Product Liability=プロダクトライアビリティ)の適用もありうるというのだ。

自転車は構造が簡単で、それが外から見えやすいため、誰でもいじることができるのが実は魅力だったりする。しかも自転車の専用工具は誰でも入手できる。だが、部品メーカーがこれを許してくれるのか怪しくなってきた。だいぶ前ではあるが「同じコンポーネントを使わないとメーカーが作動保証をしない」という言葉を聞いて耳を疑ったものである。何を言っているかというと「メーカー指定の部品を使わないと正しく動いてくれないかもよ。そうなってもメーカーは知らないよ」という意味だ。今や消費者大国となった日本では自転車部品であっても壊れようものならメーカーに修理を要求する事態となってきた。部品メーカーも防戦する。「正しく取り付けましたか?」「誰が取り付けたのですか?」」資格取得(自転車店の技術資格)BAA(Bicycle Association Approved)、SBAA(Sports Bicycle Association Approved)を持つ店頭で作業しましたか?」と

「昔は‥‥」などという話はしたくないが、作動するしないも乗り手の責任、壊れてもレース部品だから保証はしてくれないという中で自由に自転車をいじることができた。全て自己責任だったからだ。あなたは誰に部品の取付をお願いしますか? 部品が壊れたら保証してもらいますか?

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