Dobbat’s

齋場孝由オーナー/ ビルダー

名古屋市郊外の尾張旭市にショップ兼工房を構える。
齋場孝由と出口旭は、Dobbat’s Rhino House（ドバッツ・ライノ・ハウス）の代表とスタッフであり、二人ともがフレームビルダーである。
代表の齋場は、中学生のころに自転車の魅力に目覚め、高校卒業後名古屋の深谷産業（現株式会社フカヤ）に就職する。
Cinelli、COLNAGOなど深谷産業が輸入していたヨーロッパのロードレーサーの機能美に痺れる。
実業団選手として競技をしながらフレームビルダーを目指す。
1980年に入社した東洋フレーム（大阪）でリッチー、ロッキーマウンテン、マウンテンゴートなど数々のアメリカンブランドのMTBフレーム製作を通し、歴史の浅いアメリカの自転車の自由奔放さに感銘を受ける。
そこで自転車＝ヨーロッパという従来の価値観を捨て、今までの日本にはないヨーロッパのコピーではない自身の感性を生かした日本人のための自転車製作を目指す。
当時まだ珍しかったTig溶接によるフレームの製作を学ぶ。
さらにGTバイシクル（米国）でフレーム製作の経験を積む。
帰国後1987年に”ドバッツ斉場製作所”を立ち上げ、自宅の一角でフレーム製作をスタートする。
当時クロモリフレームの製作に多く用いられていたラグを使用せず、手作業が多く、時間の掛かるフィレットブレイジングに取り組み、他の追従を許さない、美しい独自の製作スタイルを確立する。フィレットブレイジングはパイプの太さ、角度の自由度が上がることにより、設計の幅が広がり、ユーザーの好みの乗り味を実現しやすい特徴もある。
1998年「ユーザーとの接触がなければビルダーは情報的に孤立してしまう」と感じ、現在のショップ兼工房を構えるに至った。
現在は、平日水曜日を除いては１４時までは工房でフレーム製作、１４時からショップを開ける日々だ。自宅の工房時代に比べて製作時間は削られてしまったが「オーダーに来る顧客との対話の時間を大事にしたい」とのこと。
出口旭（でぐち　あきら）は大学のサイクリング部を経て2006年にドバッツに入社以来ずっと齋場のもとでドバッツの自転車を製作し続けている。
2023年で65歳となる齋場が「長年の良きパートナー」と呼ぶ出口旭（でぐちあきら）は、齋場の後継者を指名されている。しかるべき時には、出口はDobbat’sの真骨頂というべきフィレットブレイジングを生かしつつ、さらに新しい感性とアイデアで新たなDobbat’sを創り上げていくことであろう。